灯島測候所 最終観測日誌表紙へ

五日目 十月三十一日

「水鏡」

この欄は、あなたの手控え。答え合わせは表紙で、五日分まとめて。

暮れ六つ、雨が上がった。
日誌の一枚を足もとに落とし、拾い上げたときには、言葉はもう水面にしか残っていなかった。

最後の雨は、一粒、また一粒と落ちた。
後から落ちた粒ほど、言葉の一音ぶん深くまで沈めていった。