灯島測候所
最終観測日誌
自 十月二十七日 ― 至 十一月一日
最後の観測員は、五日分の日誌と、白いままの欄を残して島を去った。
本土から北へ、船で九時間。
灯島測候所は、十一月一日をもって無人の自動観測所に切り替わる。
最後の観測員・汐見は、閉所までの五日間の日誌を残して、島を去った。
日誌は雨に濡れ、ところどころ読めなくなっている。
どの頁にも、右上に小さな五つの欄がある。
「観測メモ」――そこだけが、なぜか白いまま残されていた。
あなたは、この日誌の最後の読者だ。
白い欄を埋めて、彼が最後に何を観測したのかを確かめてほしい。